コーラのびんと栓の思い出

 

今では飲み物の容器は「ペットボトル」や「缶」が普通であるが、

はすぴーの子どもの頃は「びん」が当たり前だった。

 

当時のジュースはコカコーラ社からは「ファンタ」、ペプシ社か

らは「ミリンダ」というものがポピュラーであった。

さらにはお米屋さんでしか買えない果実入りの「プラッシー」と

いうオレンジジュースもあったが、これらはいずれも「びん」で

販売されていた。

 

「スカッと さわやか コカコーラ」のキャッチコピーで、コーラ

は夏の飲み物の王様である一方、コーラを飲むと骨が溶ける、歯

が抜ける、インポになるという俗説までもあった時代である。

 

また「ファンタ・ジュース」は「私のファンタ、飲んだのだあれ」

というキャッチを世間に流行らせていた。当時のダジャレで「私

のファンタ飲んだのファンタ(あんた)でしょ!」を記憶されて

いる人も多いのではなかろうか。

ファンタはオレンジ、グレープ味から始まり、ゴールデンアップル、

最近ではピーチ味なんかもあるが、炭酸飲料なので、大人になる

までファンタと友達になれなかったお子ちゃまも意外と多いらしい。

 

話が逸れてしまうが、1973年にコカコーラ社から発売された

「ドクターペッパー」を最初に飲んだ時のぶっとびは今だに覚えて

いる。その後、青汁の登場によって記憶が中和されてしまったが、

「こんなまずいものを売っていいんだろうか」というセリフを姉に

言ったことがある。

さらには、ペプシ社からは同じ味つけの「ミスターピブ」というも

のが出てきた時には、どういった人種の人たちがこんなものを好む

のかというテーマを真剣に研究したいと思ったくらいだ。

ドクターペッパーは未だに生き残っていて、隠れファンを案外と多い

らしい。しかし「ミスターピブ」の寿命は予想通り、短命であった。

 

さて、本題に戻るが

「びんの栓を集める」ことが流行った頃がある。といっても昭和40

年代の中頃のとあるキャンペーン中に限った現象であるが。。。。

たしかコカコーラ社のキャンペーンで「その場で現金が当たる」なん

とか・・・というやつだった。

コーラやファンタのびんの栓の内側のシールを剥がすと当たりの場合

には「10円」「50円」「100円」「500円」と書いてあり、

これをお店の人に持っていくとびんの栓と交換に現金、英名「キャッ

シュ」をくれた。

1日の小遣いが20円〜30円の時代だった頃なので、「500円」

の栓は1ケ月分の小遣いに相当するくらいの価値のある栓なのである。

 

このキャンペーンを知らないのか、シールを剥がすのが面倒なの

か、コーラやファンタの栓がよく道端に落ちていたりする。

(当然、酒屋の前のあたりが狙い目だった)

はすぴーたちガキンチョ野郎は、それらの栓を熱心に探しては

シールをはがして、20個に1個くらいの割合?で「当たり」の栓を

拾うことが出来た。大抵は10円か50円なのだが、極まれに500円

の栓を拾う超ラッキーなやつは1ケ月間「左うちわ」の豪華生活が保証

されていたりする。

巷ではコカコーラの「ホームサイズ」(大びん)に500円が多いと

いううわさが飛び通っていた。

 

そして当時の自動販売機は大きな冷蔵庫に小さな窓があり、購入

者が欲しいびんを引き抜くタイプであった。栓抜きは販売機に備え

つきであり、栓を抜くとその器のようなケースに栓が落ちる仕組みに

なっていた。だから当たりかどうかの正体がわからないまま栓は

ケースにたまっていくのであった。

従って、そのケースはまさに「宝の持ち腐れ」状態であるものの

穴が小さくて手を入れて捕獲できるものではなかった。

 

そこで考え出したのが、磁石を紐でしばり、穴から通し栓を少しづつ

釣り上げようということ。(栓は鉄製なのである)

しかも店の主人に見つかるとドヤされるので、見張りをたて、最低

2人以上のチームプレーと集中力が要求される仕事であった。

(いつのまにか仕事になっている)

そんな方法で500円の栓を獲得した時の感動は今でも忘れない。

 

コツがわかってきて、チームプレーも円滑になってきた頃に、キャン

ペーンが終了してしまった。

 

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◆ コーラびんの思い出(2)

 

ところでコーラのびんと言えば、

ホームサイズの空びんを酒屋などに持って行くと買い取ってくれた

時期があった。「デポジット制」のはしりだと思う。

1本あたり10円だったように記憶している。

 

はすぴーの家の近くに運送会社があって、そこのトラックの運ちゃん

たちはコーラが好きだったようで、毎日飲んでいた。

(トラック野郎にはホームサイズがぴったりなのである)

だからたくさんの空びんが置いてあったのか、捨ててあったのか微妙

な状態で放置されていた。

 

はすぴーと友人H君はこのびんを盗んで、いや、捨ててあったので

あれば、拾ってきて水洗いをして酒屋に持っていき、現金化して

いたことがあった。

二人で20本も持っていけば、ちょっとした小遣い稼ぎになった

もんだ。

そしてあんまり、汚くて受け取ってもらえないびんは川に流され

標的として石で割られるという結末であった。

 

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◆ コーラびんの思い出(3)

 

さらにコーラのびんといえば、

底の側面に直径4ミリくらいの穴というかへこんだ跡のようなものが

あって、よーーく見ると丸いものと四角いものと2種類あった。

(後日、大人になって分かったことだが、これはコーラ瓶に

白い文字を印字する際、固定する為の穴だそうだ)

当時の俗説では丸い穴のびんは「甘口」で四角い方は「辛口」と

いわれていた。ボンカレーや日本酒じゃないが、そんなうわさがあった。

自動販売機でたまたま四角い穴のやつだったりすると「今日は辛口で

いくか」なんて言ったもんだった。

味はまったく同一だったと思うが、マインドコントロールされていた

小市民には簡単にその気にさせられもんだ。


   

しろーさんが送ってくださった嬉しい画像



  あの頃のセピア色の想い出

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