◆ 2B弾
通称「2B」と言っても鉛筆の濃さではない。
はすぴーが小学生の高学年の頃、つまり昭和40年初期に流行
していたガキの危険なおもちゃだ。あまりに危険すぎて製造
中止になってしまい、「2B」を覚えているオジサンたち
は意外と少ない。
一言で説明するのであれば、「爆竹」を強化したダイナマイト。
大きさは全長10センチくらいで、牛乳ビンを破壊するほど
の威力があり、全国で大怪我が絶えなかった。
今にして思えばどうしてこんなにも危険なおもちゃを
駄菓子屋で売っていたのだろうか。それよりもどうして
こんなものを子供向けに製造していたのだろうか。
2Bと爆竹や花火との最大の違いは「火=マッチ」を必
要とはせず、その辺の石や木材に擦るだけで着火するという
ますます危険な機能を備えていた。記憶が定かではないが
着火してから爆発するまで20秒くらいあったように思う。
だから2Bをロシアンルーレットの如く、たらい回しを行い、
いわゆる「根性だめし」をやる不良も大勢いたが、手の中で
爆発させてしまうガッツマンも現れて、2Bは危険なおもちゃ
の代名詞になってしまった。
そして爆竹、花火との違いの2番目として「水の中でも爆発
する」ことだ。2Bは最初は白い煙が出てきて、10秒
くらいすると煙が黄色に変化する。
これは’そろそろ爆発するので、良い子の皆さんは離れてく
ださいネ!’という合図だったのかも知れない。煙が黄色
になった段階で川や池に投げると、あら不思議、、水中で
「ボコっ!」と破裂し、黄色の煙とともに気泡がでてくる。
タイミングをとることが下手なやつ、または根性のないやつは
つい川に投げるのが早くなってしまい、「ジュ〜」と
消してしまう鈍くさいやつもいた。
ところで2Bでいろんなものを爆破させ、楽しんでいたが
何といっても凄まじかった思い出としては、かえるの口に
2Bを突っ込んで爆破させたことだろう。そしてかえるさ
んの手か足が飛んできてはすぴーの顔にひっついた
時は心底、気持ち悪かった。(だったらそんなことすんな!)
それと凄まじい爆破の思い出として、犬の巨大ビチグソの大破。。。。
想像を絶する風景に周辺が変わってしまった・・・・<(_
_)>
子どもとは恐ろしいもので、市販の2Bでは飽きてしまい、
自分たちでもっと強力なダイナマイトを創ろうとT君と
相談し、HTオリジナル・スペシャル・バズーカ・ダイ
ナマイトなるものを作った。2Bを分解すると当然、火薬が
入っているが、10本分の火薬をまとめて紙にまいて、ぼろ
きれでしっかり結び爆竹から分解した導火線を丹念に繋ぎ、
火をつけた。このままこの町がふっとんでしまったらどう
しようなどと真剣に考えていた。
しかし所詮は子どもが作ったダイナマイト。「ぷすーー」と
おならみたいな音をたて、不発に終わってしまった。
何度かチャレンジしたが、どれも「すかしっぺ」で町
を滅ぶすには至らなかった。
それにしても子どもって危険な遊び、やってはいけない
とよーーく言われた遊びが好きなんだよな。
そんな遊びほど記憶に残っている。
原稿:1998/9/20
『お便りコーナー』
禁じられた遊び
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