◆ ゲルマニウムラジオ



 

はすぴーが小学3年生の頃、とても欲しがっていたものに「ゲルマニ

ウムラジオ」があった。電池のいらないラジオ・・・といっても

スピーカーから聞こえてくるわけではなく、イヤホンから何やら聞こえ

てくるしろもんだ。まっ、子供だましのラジオだから駄菓子屋で売って

いた。完成品もあったが、当時は「キット」を買ってきて組み立てるの

が「通」であった。半田ごてやペンチなど使わずに、プラモデルよりも

簡単に作れる程度のものだったが、自分で組み立てたものが電波を受信

した時は「すげぇ〜」と自分の才能が恐かった。

 

ここで「ゲルマニウムラジオ」について全然知らないという人のために

補足説明してあげよう。当時の月刊少年漫画雑誌などでは切手で買える

誌上通信販売で人気No.1だった。「電池不要でよく聞こえる」なんて書か

れると、なんとなく科学にあこがれる幼な心をくすぐられたものだ。

色々な種類があったように記憶しているが、共通して本体からイヤホンと

ワニ口クリップのついたコードがあり、アンテナらしきものがあった。

最も原始的なものはアンテナがチューナーを兼ねていて伸び縮みによって

選局するものであった。少し値がはるといっちょ前にダイヤル式のチュナー

がついていたりするが、感度はさほど変わらなかったように思う。

ワニ口クリップの方は金属類をくわえます。受信に適した金属は、カーテン

レール、水道の蛇口、校庭の鉄棒、電気スタンドの金網などが良質の音を

受信してくれます。

 

下記の写真のロケット型は最もポピュラーなタイプでロケットの先が

アンテナでなかなか斬新なアイデアだったと敬意を表したい。このタイプは

よく駄菓子屋で売っていた。

 

ラジオとは言え、電池も使わない、いわば電波泥棒みたいなものだから

そうそう多くの電波は受信できなくて、はすぴーの住む足立区あたりでは

せいぜい「文化放送」と「NHK」くらいで、たまぁに「TBS」が運良く

受信できるとラッキーボーイ。そして「ラジオ日本」でも入った日にぁ、

クラスの英雄になってしまうのであった。

 

はすぴーが受信をよくするために考えた方法に、アンテナコードをとに

かく長くすればいいと思った。父親から盆栽で使う針金を30mほどもらい

家のベランダにクモの巣状に針金を敷き、その先端にワニ口クリップを

取り付ければ、いつでも「ラジオ日本」が聞けるもんだと信じていた。

But結果はカーテンレールの方がましであった。なぜだったのか大人に

なった今でも理由はわからない。

 

ところで中学校の時、技術科の先生から聞いた話を思い出したので、

紹介する。ウソのような話だが、先生が生徒の前で堂々と嘘をついたとは

思えないので、たぶん本当なのだろう。しかし外国の話っていうところが

少々ひっかかるが・・・

「ある虫歯の多い人が治療に金だの銀だの色々な金属を口に詰めたら口が

ゲルマニウムラジオ状態になってしまい、頭の中で始終ラジオが流れてい

る人がいる」というお話。そしてオチとして「その人はノイローゼになって

死んでしまったとさ」・・・貴方はこの話を信じますか?


    



 このウソのような話について
お便りをいただきました!
さて、その真実は??



あの頃のセピア色の想い出


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