絶滅寸前こだわり商品No.15
当ホームページの「絶滅寸前のこだわり商品」のコーナーを作ったきっかけは
はすぴーがガキの頃に縁日でよく食べた「文化フライ」が絶滅しかけていたからだ。
「文化フライ」といっても極々一部の人にしかわからないものだろうと思っていたが、
意外や意外、、、多くの方からメールを頂戴したり、掲示板でも書き込みがあり、
私自身が逆に驚いていたりする。→「お便りコーナー」
なんたってYahooで「文化フライ」を検索すると、トップにはすぴー倶楽部が
ヒットするので、もはや「文化フライ公式ページ」と呼んでもいいだろう。(笑)
「お便りコーナー」にもあるように30年ぶりに文化フライと再会できました
なんていうメールをいただくとこちらの方こそうれしくなってしまいます。
さて、前回のレポートにもあるように「文化フライ」は2001年の春におばちゃんの
体力の限界とともに世の中から姿を消してしまったようだった。
しかし、その後、すっこんこんさんという方からラジオ番組「片岡鶴太郎の土曜日は
鶴日和」で「文化フライ」のおばちゃんが出演するということを教えていただいた。
片岡鶴太郎さんも「文化フライ」が子どもの時に好きだったらしい。
おっおっ、、「文化フライ」のおばちゃんのあのダミ声が聞けるぞ。(失礼)
2002年9月7日(土)am8:35 番組開始してから35分後、おばちゃんの声が
ラジオから流れる。スタジオではアツアツの「文化フライ」を鶴太郎さんが食べ
「美味い、美味い、いやー、懐かしいなぁ」と感激している。
以下、放送の中からこんなことが判明した。
・「文化フライ」のルーツは浦安方面にある食べ物がヒントになっている ・それを長谷川のおばちゃんが独自に改良・開発した ・「文化フライ」のネーミングは文化包丁とか文化鍋などが流行っていた頃だから。 ・当然のことながら、長谷川のおばちゃんが命名者である ・縁日でやっていたのは長谷川のおばちゃんの他、もうひとりいた ・最盛期の夏祭りは9/1〜9/30まで毎日、どこかでお祭があったので多忙だった ・価格の推移 5円→10円→15円→20円→30円→50円→100円→150円 ・ダンナは春日八郎に似ている ・今でも昔から取引している寿司屋、居酒屋に卸しているのでそこで食べることができる ・小麦粉以外の原料や特製ソースは企業秘密。フライの甘みはシュガーカットを使用 ・現在、縁日では販売をしていないが、注文があれば応じている ・今でも手のひらに「文化フライ」をつくる型の跡が残っている ・おばちゃんは腹が減ると自分でも揚げて食べている |
下の写真をクリックすると番組の会話がわかります。
カミさんが「テープおこし」してくれました。夫婦共同作品(笑)
鶴太郎さんが持っているのが「くじ」
さて、話はここでは終わらない。
その後、1週間ほどしてから ある方からメールをいただいた。その方というのは
「文化フライ」のおばちゃんのご近所の人で、「長谷川商店のおばさんが、はすぴー
さんに連絡をとりたがっているので、電話をして欲しい」とのことだ。
えっえっ、、、?なんだろう、オイラのHPのせいで何か怒っているのかなぁ。。。
そういえば「文化フライは揚げたてを食べるべし」なんて書いたもんなぁ。。。(汗)
恐る恐る電話をしてみると、「あなたがはすぴーさんですか。本当にありがとう
ございます」といきなり感謝されてしまったのだ。
どうやら話を整理するとこういうことのようだ。
鶴太郎さんのラジオを聴いて「文化フライ」を懐かしく思った人たちがいる→
急に食べたくなったが番組の中では連絡先を放送されなかった。→
インターネットで「文化フライ」を検索してみる。→
はすぴー倶楽部というHPに長谷川商店の連絡先が掲載されている。→
電話による注文が殺到。。。ということのようなのだ。
てなわけで、はすぴーさんにお礼の気持ちとして「文化フライ」を宅配便で送って
くださるというのだ。いやー、驚きモミの木、この木なんの木、気になる気になる。
住所を教えたら「明日には届くように送りますからね」とさわやかなダミ声で電話を切られた。
そして翌日の日曜日、朝7:20。「ピンポーン!」と我が家の玄関のチャイムが
なった。なっなっなんだ、誰だよ〜、日曜日の朝っぱらに訪ねてくるやつは。。。
ドアホンから「文化フライの長谷川と申します。朝、早くからすみません」とな。
おっおっ、おばちゃんやんけ!!!あわてて着替えて玄関へ飛び出す頭ボサボサのはすぴー。
おばちゃん:歳をとると足腰が弱くなってくるんで、よく舎人公園まで自転車で 来るんですよ。この辺りには友達もいましてねぇ。 はすぴー:あっ、はい、ご苦労様です(←有名人にあったつもりで緊張しまくり) おばちゃん:文化フライを送ろうかと思っていたけど、ご近所なんで持ってきたよ。 ソースはさっき作ったところだから、まだ熱いからね。 はすぴー:うわっ、感激ですぅ。ありがとうございますぅ。こんなにいっぱい いいんですかぁ。わーい、うれしいなぁ。 (文化フライ2パッケージとペットボトルに入った秘伝の特製ソースを受け取る) おばちゃん:油は多目にたっぷりと使った方がいいからね。 揚げ過ぎちゃ、ダメだよ。 はすぴー:はい、わかりました。そうそう、先週の鶴太郎さんのラジオ、聞きましたよ。 おばちゃん:最初はお断りしたんだよ。恥ずかしいじゃないの。でもね、ラジオの 人がお願いだから出てくれというもんだから、押されてしまったのさ。 くじはもう使っていないんだけど、わざわざ押入れからひっぱりだしてきてねぇ〜 はすぴー:もう文化フライは店を出さないのですか。すごーく残念ですぅ〜。 おばちゃん:アタシが生きている間は作っているから、食べたくなったら 連絡しておくれ。いつでも持ってきてやるからさ。 はすぴー:そうだ、おばちゃん、写真。いっしょに撮ってもらっていいっすか。 おばちゃん:いやだよぉ、こんなババァなんか撮ってもつまらないよ。 アタシゃ、昔からカメラは苦手なんだよぉ。 はすぴー:まっ、そうおっしゃらずにぜひお願いします。(←すでにHPネタを考えている) (寝ているカミさんをたたき起こし、デジカメを持ってくる) |
カミさんは何がなんだかわからない上、寝ぼけた顔のまま、自分のダンナが見知らぬ
老女の肩を抱いているツーショット写真を撮影。はい、ポーズ♪
長谷川のおばちゃんと、はすぴー@自宅前
その後、とりとめのない世間話をしておばちゃんは自転車で立ち去った。
オイラは姿が見えなくなるまで、ずーーとおばちゃんを見送った。
心の中では「おばちゃん、俺は会社からリストラされたら、おばちゃんの意思
を受け継いで立派な文化フライ屋になるからね。チーズ味、カレー味は邪道かい?」と
呟いてしまった。。。。
その日の我が家の昼食は「文化フライスペシャル」!!!
おばちゃんからいただいた「文化フライ」を揚げまくった。(笑)
実はどの程度の時間、揚げたらいいのか肝心のことを聞き忘れてしまい
試行錯誤を繰り返したというわけだ。
特製秘伝ソースをドバドバとかけてアジジアジジとかぶりつき、
「からし」なんかつけたり「マヨネーズ」もなかなかいけちゃったりして
その日、はすぴーは7枚も食べてしまった。ビールが妙にマッチしたりする。
ガキの頃には「文化フライ」とビールの相性がこんなにも良いとは
想像すらつかなかったが、ひじょーーに美味いのだ。
心地よい胸焼け、、、これがまぼろしの「文化フライ」の後味なのだ。
文化フライに栄光あれ。長谷川のおばちゃん、いつまでもお元気で。。。
「はすぴー倶楽部」を見て連絡しました、、、というと若干の割引もあるようです
「お便りコーナー」 エキサイトニュース「究極のB級グルメ」
ウィキペディア 足立区郷土博物館より
「文化フライ」Part1に戻る
(原稿:2002.9.28)
【その後の文化フライ情報】
☆2006/5 長谷川のおばちゃんが心不全のため永眠されました(享年71)。心よりご冥福をお祈りいたします。
文化フライはおじちゃんが近所に居酒屋に卸したり、通販で販売されています。
☆2008/1 テレビ東京「出没!アド街ック天国」の”西新井大師”をテーマにした番組の中で「幻のフライ」
ということで紹介されました。→ブログ参照
☆2009/10 東京新聞「足立区のB級グルメ」として掲載されました。
☆2009/11 2009/11/29 足立区郷土博物館にて「文化フライ」について講演をいたしました
11/27 「文化フライを食べよう会」をお好み焼き屋「コウゲツ」で 開催
☆2013/7 2013/7/14(日) フジテレビ『笑っていいとも!増刊号』でゲストの想い出のモノとして紹介されました。
→ ブログ参照
☆2019/1 2019/1/14 読売新聞 江東14版 「東京探Q」に掲載されました
"文化フライ研究家"の肩書にびっくり
☆2020/2 長谷川のおじちゃんが肺炎で亡くなられました(享年91)、娘さんから連絡をいただきました。
大変に残念ですが、元祖「文化フライ」は絶滅したことになります。
☆2020/2 2020.2.6 TBS「櫻井・有吉THE夜会」 下町育ち風間俊介VSみやぞん
取材協力と写真を提供しました
☆2020/6 長谷川さんの娘さんから連絡をいただき、足立区のご実家にお邪魔し、文化フライの思い出話などをお聞きさせていただきました。
写真は当時、使っていたのれんと型抜き。
☆2024/7 2024.8.7 テレ東「何を隠そう…ソレが!」(群馬?埼玉?足立区?ないと日本人が生きていけない頂上決戦)
足立区出身の雛形あきこが文化フライを紹介