21世紀に伝授する「だるまストーブ」の着火・消火方法

 

だるまストーブが絶滅する前に火の付け方と消火方法を、私はすぴーが21世紀に

語り継ぎたいと思います。(大袈裟な・・・)

 

【着火方法】

(用意するもの)

・マッチ

・新聞紙

・名前はわからないが、油の染みた軽石みたいなやつ

・薪

・石炭

・コークス

・小さなスコップ

・コークスをかき混ぜたり、掃除するための鉄の細い棒(先端は直角に曲がっている)

・網をふるうための取っ手

・軍手

・下敷き

・緊急消火用 水の入ったバケツ

 

朝、日直は、軍手を手にして2人でコークス置き場に「ストーブ着火セット一式」を取りに行きます。

缶に入った油の染みた軽石みたいなやつ(トイレ掃除をする時のたわしみたいな

やつで取っ手がついてあり、たわしの部分が黒い軽石になっている)と薪を

一人が持ち、もう一人はコークスと石炭の入ったバケツを持つのだけど、女子の力では相当重たい。

バケツといっても普通の大きさのものではなく、楕円形で普通サイズの2.5倍くらいの量だったと思う。

 

最初にストーブの中にダンゴ状にした新聞紙を5個くらいと薪を入れるのだが

薪は小さなやつを先に入れる。長目のやつはチョップかキックで短くする。

(はすぴーの記憶では斧のような刃物を使ったことはない)

ストーブの下には網(網といっても目は2センチくらいの粗さ)があるので落ちないようになっている。

 

油の染みた軽石みたいなやつにマッチで火をつける。

これは簡単に着火してくれ、2分くらいは燃え続けている。

こいつを網の下に潜りこませるように入れて、新聞紙に火をつける。

 

こうすることで、新聞紙から薪に火が移り、しばらく薪が燃えるのを待つ。

この間に下敷きでパタパタと空気を少し 送り込んでやった方がいい。

様子をみながら薪の太いやつを放り込むのだが、このあたりの判断は難しい。

ここで火を消してしまうパターンが多いからだ。

 

そして太い薪が燃えてきた段階で、次に石炭を入れる。

(薪から直接、コークスは燃えないのだと思う)

石炭の投入の仕方は手で直接、持つと汚れてしまうので、シャベルというか

専用スコップみたいなものでくべる。(コークスも同様) でも、軍手をしているんだけどね。

 

石炭はあまりたくさん もらえなかったので、貴重であった。

石炭が赤くなった頃合いを見計らって、コークス(できれば小さいものから)

を入れる。ここで、下敷きのパタパタは重要必須実施事項である。

 

一旦、コークスに火がつけば おおむね完了であるが、徒然草の植木職人の話にも

あるように最後のフィニッシュに気を抜いてはならない。

だるまストーブには窓の部分に空気穴が3つあり、これを回転させることで穴の

大きさが調整できるようになっていて、最初は空気穴を全開させておかねばならない。

 

あとは、休み時間の都度、コークスをぶち込んでいくのだ。

配分に失敗して 午後の授業が始まる頃にコークスを使いきってしまう日直も

いたが、こいつは周囲からアホ呼ばわれされ、コークス置き場に「おかわり」をもらいにいくハメになる。

はすぴーが小学5年の時「コークスおかわり禁止令」が学校から出た(本当の話)

 

【消火について】

だるまストーブは着火よりも消火の方が危険が伴う。

まず日直は6時間目になったら、コークスを投入してはならない。

つまり5時間目でコークスを使いきるのが、正しい方法であり、

東京では「江戸っ子は 宵越しのコークスは持ち歩かねぇ〜」とたんかを切る。

すなわち自然消火を待つのだが、欠点としては6時間目は「寒い」。

とはいえ、授業が終わってもコークスは赤く、まだまだ燃えている。

 

日直は網をふるうための取っ手(うまく説明ができないが、要するに網と凸凹に

なっている棒)を使い、「どりゃゃ〜」と力まかせに網をふるう。

すると、コークスの灰(相当、熱い)がどっと落ちるようになっている。

予め用意してある水を灰にかけると「じゃばぁぁぁ〜しゅうしゅう」と灰煙と水蒸気

がものすごい勢いで教室を立ち込める。

 

このようにして、灰となったコークスの残骸(水でびしゃびしゃになっている)を

スコップでバケツに移す。

普通のバケツで1〜2杯の量だったと思う。

バケツに移した状態でも バケツ自体がまだ温かい。

これをコークス置き場の近くにある灰捨て場に捨てて、バケツを水で流してきれいにして完了。

 

これだから日直当番は面倒くさいわけだ。。。。

スイッチひとつで暖房となる現在では この面倒くささも妙に懐かしい。。。

 

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