霞つぶて

 

今回のネタは相当、ローカル的で何も知らない人には「なんのこっちゃ?」

という話題なので、「霞つぶて」と聞いて????と思った人は次の話題

に飛んでいって欲しいと思うくらい非全国的なネタですが、知っている人

には「げっげっ、あの霞つぶてか!」というお話です。

 

はすぴー世代のマンガは、やはり何と言っても今は亡き、「手塚治虫」「石

ノ森章太郎」は大抵読んでいたが、その次には「永井 豪」「ちば てつや」

「川崎 のぼる」とかが続くと思う。そして忘れてならないのが「横山 光輝」

だろう。代表作には「鉄人28号」「バビル2世」「魔法使いサリーちゃん」

「三国志」etc・・・きりがない そして忍者物も横山先生の得意分野でもある。

 

そんな中で「闇の土鬼」という少年マガジンに連載されていた忍者マンガが

ある。はすぴーとその周辺の友人たちには、絶大の人気があったが、意外と

マイナーな路線であったのかも知れない。

そのマンガで使用される必殺技に「霞(かすみ)つぶて」が出てくる。

自然体のまま、親指または中指だけの動作だけで、霞石という小石を弾き、

敵の額(ひたい)をぶち抜くという技だ。

(マンガだけに許される技である)

 

はすぴーたちはこの技を習得すべく、日夜練習に励んだのは、中学に入った

頃だったと思う。残念ながら「霞石」という小石が現実には存在しなかった

ので、しかたなく消しゴムをボンナイフで刻んで霞石がわりに見立てた。

その消しゴムの破片を、授業中に「霞つぶてじゃ〜ピシッ!」とか「ふん、

つぶて返し!」とか「連発、ピシピシ!」とか言って消しゴムの破片が

飛びかっていた時があった。

 

さすがに授業中に行われていた遊びであったので、先生からに見つかって

しまった時は、ひどく怒れてしまった記憶があるが、それを流行らせたの

が、「はすぴー」だと主張する裏切り者が現れて、人生の辛さと人間関係の

はかなさを中学生にして、悟ったのもその頃であった。

 

しかし、その先生の言うことがさらにおかしい。「いいか、今後、消しゴム

を投げたり、騒いだりしたら、今度は俺がチョークを投げるからな。

もし本人に当たらなくて、周りの者にぶつかったとしても、注意しなかった

周りの者の連帯責任だ。いいな、チョークつぶてだぞ。」

 

先にも説明した通り「霞つぶて」の基本型は『自然体』であり、指だけの

動作で発射しなくてはならない。だからチョークを「投げる」という動作は

邪道でありルール違反でもあり、「つぶて」とは言えないのである。

 

しかし、チョークつぶては投げられた。白、赤、黄、、、残念ながら、その

先生には、星 飛雄馬のような「針の穴を通すコントロール」はなく、

熱心に授業を聞いている女生徒にも容赦なく、飛んできた。

現在のようにPTAや教育委員会がうるさくなかった時代であり、風紀の

厳しさを「ウリ」にしたいた学校だから、こんなこともあったんだろうと

今になって分析している。

 

このようにして授業中の「霞つぶてごっこ」は減ったいったが、逆に

校庭で行われる朝礼時には、どこからともなく「つぶて石」が飛びかよう

ようになっていった。しかも本物の小石だから、気が抜けない。

 

はすぴーは霞つぶてのコントロールを磨くべく、自宅にある父の「碁石」で

修行した記憶がある。ちょうど中指の爪に乗るくらいの平べったさと重量感

があって、「適当」とはこのことを言うのではなかろうか。

修行後、回収して元に戻すことを心がけてはいたが、徐々に碁石が減って

いき、「このところ、石が減ったような気がする」とつぶやいた父親の

一言を聞いてから碁石を使っての修行はしなくなった。

 

そうこうしているうちに、マンガ「闇の土鬼」も最終回を迎えてしまい、

霞つぶても流行らなくなってしまった。

 

どうして男の子って、こういうくだらないことに熱中してしまうのか理解

できないまま、大人になってしまっている。

対象は「霞つぶて」ではなくなったが、PTAのソフトボール部に入って

ピッチャーをやっているオヤジ(はすぴー)がここにいる。

碁石で鍛えたコントロールが活きているかも・・・?




あの頃のセピア色の想い出


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