◆ スパイ手帳

 
 

はすぴーの世代のおっちゃんにとって「スパイ」という言葉は、そもそも

の意味も知らずに「カッチョいい」。

アメリカTVドラマ「スパイ大作戦」をリアルタイムで見ていた世代だ。

特にあのテーマソングを聞くだけでゾクゾクしてしまうのも

我々の世代の特徴と言える。「おはよう、フェリプス君。さて今回の

君の使命だが・・・」

「スパイ大作戦」はリメイクもされたし、トム・クルーズ主演で映画

にもなったので、知らない人はいないだろう。

また映画「007シリーズ」のジェイムズ・ボンドもカッチョよかった。

 

だから「スパイ」は大きくなってなりたい職業のベスト3にはランクイン

されていたし、「スパイごっこ」なるものが流行っていた。

そして将来の優秀なスパイを夢みていた頃に、文房具メーカーのサンス

ターから「スパイ手帳」が発売されると、たいていの男の子たちは、

それを購入した。値段はたしか150円だったと思うが、現在の金銭感覚で500円く

らいだろうか。基本は「メモ帳」だと思って欲しい。

 

まず、「スパイメモ」から説明をしよう。

「スパイメモ」は文字や絵を書いた紙が水に溶けるもの。

これはきっと水(H2O)に分解してしまう物質(のり)を紙状にしたもの

だったのだろう。

手紙が敵にみつかった時に、コップの水で溶かしてしまう設定なのだが、

はすぴーはもったいなくて、結局一度も使ったことはなかった。

    

 

次に「スパイペン」。紙に書いた文字がすぐに消えてしまい、スパイペン

でなぞると、消えた文字が現れるというもの。

「でんぷん」と「ヨー素液」の関係みたいな化学反応を利用した仕組みなのだろう。

味方への秘密文書という設定なのだが、透かしてよーく見るとぼんやり

だが、解読されてしまい、あまり効果的とは言えなかった。

 

「スパイめがね」も付いていた。

変装用であると同時に、そのめがねで暗号文をみると、必要な文字だけ

見え、解読できるといったもの。

スパイグッズとしては、なかなかの優れものだと思うが、クラスの

ほとんどの男子が持っていたので、暗号文は「明号文」になってしまった。

    

 

「スパイミラー」「スパイバッヂ」「スパイシール」そして「スパイ心得集」

セットの一部だったが、特別な秘密らしき機能は兼ね備えてなかった。(笑)

スパイ団員証は自分がスパイであることの証明書みたいなものだったと思うが

身元記入欄に「学校・学年・組」を記入しなければならないのが、急に現実の

世界に戻ってしまうぜぃ。

あとは「モールス信号」「速記文字」の下敷きがついていた。

実ははすぴーはこの速記をマスターしたくて、大学時代に速記のサークルにも

所属していた(これはマジなんですぅ)

一応の速記文字は覚えたけど、スパイにはなれなかった。うーむ、なぜだろう。(笑)

その他、何かあったかも知れないが、残念ながら、はすぴーにはこれ以上

の記憶が残っていない。もし知っている人、特にこの開発、販売に関与

した方がいれば、ぜひともメールを頂きたい。

 

その後、スパイ手帳は缶入りの「スパイセット」や色々な意味不明のものがたくさん入っていた

「スパイ変身セット」が発売され、しまいには「スパイアタッシュケース」(箱入り)なるものまでが

発売されたのだ。

この中には銀玉鉄砲が装備されていて、危機になると敵を攻撃することができるのだ。

今までのようにスパイはこそこそ活動せず、前向きにスパイは生きていくのであった。。。

 

ところで「スパイごっこ」ってどんな遊び方をしたんだろう?

自分がスパイになって何をしたのか全然、覚えていない。(^^ゞ

    

 (原稿:1998.9.28)

「あの頃」のセピア色の想い出


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